今月の一冊

本会の社協だより「えがおNo.145」今月の一冊で紹介した「老後破産 長寿という悪夢」を紹介します。

 生活困窮者自立支援法がスタートした平成27年4月、本会に生活に困窮する方の相談窓口が開設されました。他人に自分の収入が少ないことや困っていることを打ち明けるには大きな勇気がいる中、センターには「今日食べるものもない」「ライフラインが止まっている」といった相談が多く寄せられています。
 私自身が今まで目を向けてこなかった「お金」という困りごととどう向き合うのか、伴奏型支援の難しさを突きつけられる中、「老後破産」というショッキングなタイトルが目にとまりました。
 この本には、年金だけでは暮らしていけない高齢者のリアルな生活や社会との「つながり」を失い、誰のために、何のために、生きているのかわからないという厳しい現実が書かれています。3世代同居が珍しくない昭和30年代。国民皆年金の基礎ができた当時は、今のように核家族化することは予測されていなかったのかもしれません。
 老後破産は、高齢者だけに起きている現象ではなく、働く世代にも「連鎖」や「共倒れ」の形で表れ始めており、若い世代にもそのリスクは続いています。こうした事態を打開するために何が必要なのだろうかと、考えさせられる一冊です。