今月の一冊

社協だよりえがおNO.129に掲載した「今月の一冊」を紹介します。
ルポ消えた子どもたち 虐待・監禁の深層に迫る
著者/NHKスペシャル「消えた子どもたち」取材班 出版社/NHK出版

この本は、何らかの理由で、社会とのつながりを絶たれた子どもを「消えた子ども」ととらえ、子ども本人に直接話しを聞き、独自のアンケート調査や取材をした報道番組「NHKスペシャル」を書籍化したものです。 2014年5月、神奈川県厚木市のアパートの一室で、男の子が白骨化した遺体で発見された事件をきっかけに取材は始まりました。18歳まで親に監禁された少女、貧困により車上生活を送った少年、精神疾患の親を世話していた少女など、様々な親の事情によって学校に通えず教育を受けられなかったことや、家族以外の人との接点が絶たれ誰にも助けを求められなかった当時の様子が、子どもたちの声によって語られています。過酷だった人生の一部を自らの言葉で話すことは、とても勇気のいることであり、「自分のような思いをしてほしくないから話すと決めた」という決意と大切なメッセージが込められています。なぜこのような問題がおこるのか、子どもたちの周囲にいる人々が気づけなかったのかと考えた時に、家庭の問題として片付けるのではなく、社会の問題としてとらえる必要があると思います。様々な生きづらさを抱えた親が誰かに相談できていれば、もしくは異変に気付いた誰かが行動を起こしていれば、もっと早い段階で子どもたちの声なきSOSに気付けたかもしれません。何か異変に気付いたとしても、いきなり隣近所の家庭に介入することは容易ではないので、日頃からの「困った時はお互い様」と言えるような関係づくりが大切であると感じました。