今月の一冊

広報紙えがおNo.115の今月の一冊について紹介します(^^)
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あの日生まれた命
NHKスペシャル「あの日生まれた命」取材班・編
ポプラ社

東日本大震災が発生した平成23年3月11日、ごく当たり前の生活を送っていた人たちが突然、命を奪われ、何とか避難した人たちも大切な家族や友人を奪われました。NHK取材班はこの悲劇をきちんと伝えなければならないという思いで、取材を続けていました。その中で、3月11日に生まれた新しい命にスポットをあて、18人の子ども達とその家族のドラマが描かれています。
阿部一花ちゃんのお母さんは、我が子が生まれたその日に、祖母を失い、周囲でもたくさんの命が奪われたことで、3月11日が我が子の誕生日だということを明かせなくなったといいます。そのような思いを抱えて迎えた1歳の誕生日に遠く離れた北海道から小さな椅子が送られてきました。この椅子は、旭川大学大学院のゼミが行っている「君の椅子」プロジェクトによるものです。「生まれてくれてありがとう。君の居場所はここにあるよ。」という思いが込められています。その思いが、母親が抱えてきた複雑な気持ちを、「素直に喜んでいいのだな」と思えるように変えていきました。
山﨑りらちゃんの家族は、産後に過ごすはずだった実家には住むことができなくなり、自宅に戻ることにしました。赤ちゃんを育てる準備も、暖房のための灯油も何もかもが足りませんでした。ところが数日後、自宅に大きな段ボールが続々と届き、中には、おむつやティッシュ・カイロなどがぎっしり詰まっていました。それらは、同級生がインターネットで呼びかけた「友人が産まれたばかりの赤ちゃんを抱えて困っています。何でも良いので送ってあげて下さい」のメッセージを見た全国の人たちから贈られたものでした。段ボールの中には、手書きの手紙が何通も入っていました。
東日本大震災ではたくさんの命が奪われてしまいました。そんな過酷な状況で生まれてきた小さな命は、その場にいた人々に生きる勇気を与えていたのではないかと思います。命のはかなさと尊さを現地の方の言葉を通じて感じることのできる本でした。

 

 

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