今月の一冊(依存症ビジネス)

社協だよりNo.110の『今月の一冊』で掲載した「依存症ビジネス」についてご紹介します。

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この本の特徴は、「依存症は病気である」という説を否定し、習慣としてとらえている点です。依存は軽いものから重いものまで、境目なくつながっている連続体であって、依存症といわれる人とそうでない人は、異なる点に位置しているだけであるという考え方に立っています。
本の中では、依存には「入手しやすさ」が大きく影響していて、アルコールや薬だけでなく、SNSやスイーツ、スーパーマーケットなどにも、依存に付け込む様々なアイデアが盛り込まれていることが具体的に示されています。そして、現代社会は、特定の有害な衝動を誘惑するための操作方法を企業が学んでいて、その技術が市場の様々な場面で進化を遂げていると分析しています。
そのうえで、多くの人が無防備な消費者(依存症予備軍)であって、深刻な依存的行動に陥る危険性に未だかつてないほどさらされているにも関わらず、自分が依存症の方向にシフトしていることに気づかずにいると訴えています。
また、現代社会の消費者経済が人々の意志の弱さにつけ込んで築かれている面があること、欲望を利用することで社会が発展を遂げてきたことに触れ、潜在的な依存的本能を引き出すような環境を自分たちで作ってきてしまっていると指摘しています。
食べ物や酒、テレビ、コンピューター、など様々なものが日々進化し、魅力的になり、かつ手に入りやすい状況が意図的に作り出されていること、誰もが「依存者」になりうる社会であることなど、依存症について、これまでの自分になかった新たな考え方や気づきを与えてくれた一冊です。